【完】もう一度、キミのとなりで。
肩を揺らしながら泣く私を、じっと見つめる彼。
そして、しばらく沈黙が流れたあと、碧空くんは小さな声でつぶやいた。
「……わかった」
その表情はひどく悲しそうだったけれど、何かを悟ったような顔だった。
「ごめんな。俺のせいで辛い思いさせて」
「そ、そんなことないよ……。碧空くんのせいじゃない。
私が弱いのがいけないんだよ。ごめんね……」
そう、すべては私のせい。
私の心が弱かったせいで、彼を傷つけることになってしまったんだ。
「でも私、碧空くんと付き合えて、幸せだった……。
今まで本当に、ありがとうっ」
私が泣きじゃくりながらそう告げたら、彼はぎゅっと優しく抱きしめてくれた。
「うん。俺も……幸せだったよ」
その言葉にまた涙がとめどなくあふれてくる。
この優しい温もりも、これで最後なんだと思ったらたまらなく淋しかった。