【完】もう一度、キミのとなりで。
「なぁ、最後にキスしてもいい?」
碧空くんがそう言って腕を緩め、顔を上げる。
「……うん」
ゆっくりと顔が近付いてきて、そっと唇が触れ合う。
それはたぶん、今までしたキスの中で一番長いキスだった。
心のこもった優しいキス。
唇が離れて、そっと彼の顔を見上げたら、彼の目にも涙がたまっていた。
「蛍、ありがとう」
悲しそうな笑顔に胸がまたぎゅっとしめつけられる。
傷つけてごめんね。弱い私でごめんね。
大好きだったよ。大好きだよ。
たくさんの幸せをありがとう。
こんな私のことを好きになってくれてありがとう。
楽しいばかりの恋じゃなかったけれど、碧空くんと過ごした時間はすべて宝物。絶対に忘れないよ。
だからどうか、これからも笑顔で。
碧空くんが幸せになれますように。
さようなら……。
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