【完】もう一度、キミのとなりで。
碧空くんはそう言うと、私を上から下までじーっと見下ろしてみせる。
「そ、そうかな……?」
恥ずかしくて思わずワンピースの裾をきゅっと握る。
もしかして私、気合入れ過ぎて変だったかな?
「うん、やばい。すげー可愛い」
「えっ……!」
「蛍の私服姿見るの久しぶり」
なんて、はにかんだように笑う彼の言葉で、一気に顔が熱くなった。
碧空くんは昔からそう、なんでもストレートに口に出してくれるから。こんなふうに褒められるとやっぱり照れてしまう。
でも、おしゃれしてきてよかったなぁ。
「それじゃ、行こっか」
「うん」
そしてそのまま私たちは電車に乗って約束の水族館へ向かった。