【完】もう一度、キミのとなりで。

何かと思いながらも言われたとおり目をつぶってみる。


「それで、両手出して」


「えっ、こう?」


「うん」


そして言われるがまま両手を差し出したら、その手の平の上に、何か軽いものが乗せられる感触がした。


あれ?なんだろう……。ふわふわしてる。


「いいよ。目開けて」


そっと瞼を開けてみる。すると、その目に飛び込んできたのはなんと……。


「えっ!これ……!」


そう。それは、さっきお土産屋さんで私がずっと見ていた、ふわふわのペンギンの小さなぬいぐるみだった。


ウソッ……。碧空くん、なんでこれを?


驚いた顔のまま隣を振り返ると、碧空くんがサプライズ成功といった顔で嬉しそうに微笑んでいる。


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