【完】もう一度、キミのとなりで。
改札を出て、待ち合わせをした駅の広場に着くと、もう外は少し薄暗かった。
もう帰る時間か……なんて、寂しい気持ちでいっぱいになる。
「あ、それじゃ私、ここで大丈夫だから。
今日はどうもありがとう」
家まで送ってもらうのも悪いなと思い、お礼を告げてその場で別れをきりだしたら、碧空くんはやっぱり優しいので「送るよ」と言ってくれた。
「いいよ、大丈夫だよ!まだ真っ暗じゃないし」
「いや、でも危ないから……」
言いかけて、少し考えたように黙る彼。
「ていうか、もうちょっと一緒にいられない?」
「えっ……?」
「よかったら、このあと花火しねぇ?」
まさかの誘いにドキンと胸が高鳴った。
花火って……。二人きりで?
どうしよう。まだ一緒にいられるんだ。
「う、うん!するっ!」