【完】もう一度、キミのとなりで。

「よし、締めはやっぱりこれだよな」


手持ち花火が全部なくなった後は、残った線香花火をすることに。


たくさん束になったそれをほどいて、ひとつずつ手に持って先端に火をつける。


「じゃあ、どっちが長く持つか、競争な」


「うん」


そのまま二人で近くの段差に座り、パチパチと小さく燃える炎をじっと見つめていた。


キレイだなぁ……。


このまま時間が止まってしまえばいいのになんて思う。


少しでも長く、ここにいたいよ。


「あっ、落ちちゃった」


「へへっ、今回は俺の勝ち」


そんなふうに何度か勝負を繰り返していたら、ついにはそれぞれ残り一本になった。


これでおしまいかぁ……。


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