【完】もう一度、キミのとなりで。
なにそれ。どうしてそんなに嬉しいことを言ってくれるんだろう。
私のこと、そんなふうに思ってくれてたの?
碧空くんのまっすぐな瞳が私をとらえる。
「ずっと見てたよ、蛍のこと。
離れても、ずっと……」
「えっ?」
その時ちょうど、二人の線香花火の火がポタッ、ポタッと続けて地面に落ちた。
静まり返る空間。心臓がドクドクと大きく脈を打ち始めて、落ち着かなくなる。
すると、彼はふいに花火を手離して、そのまま私を抱き寄せ、ぎゅっと腕の中に閉じ込めた。
「俺は一度も忘れたことなんかない。今でも好きだよ」
「……っ」
突然の告白に、驚きのあまり息をするのも忘れそうになる。
ウソ……。ちょっと待って、どうしよう。
信じられないよ。碧空くんが、今でも私を好きだなんて……。
「本当はあの時別れたこと、ずっと後悔してた。
だから、もう一回やり直せない?」