【完】もう一度、キミのとなりで。
俺が蛍と出会ったのは、中学二年生の時。
たまたま同じクラスになって、はじめは「小さくておとなしい子だな」くらいの印象しかなかったけれど、可愛かったから他の男子たちが噂していたのは知っていた。
先生に当てられたり、みんなの前で発表する時に彼女はいつも声が震えていて、人前で話すのが苦手な子なんだなとは思ってた。
そんな彼女のことが気になるようになったのは、あることがきっかけで。いつだったか、体育の授業時間のことだ。
その日は種目がサッカーだったから、俺はいつも以上に張り切っていた。
調子に乗ってスライディングなんかしたりして、そしたらその勢いでヒジを地面にこすってしまった。
試合が終わった後痛いなと思いよく見たら右ヒジから血が出ていて、慌てて水道まで洗いに行ったんだ。
「いって~……」