【完】もう一度、キミのとなりで。
すると、それを見かねた様子の彼女が声をかけてきて。
「あのっ……わ、私が貼ろうか?」
「……あっ、マジで。いい?」
「うん。貸して」
小さな手で絆創膏を受け取ると、丁寧に俺のヒジに貼ってくれる。
近付くと、彼女からはふんわりとシャンプーの匂いがして、なんだか妙にドキドキしてしまった。
それにしても、細い。肌も真っ白だし、なんか儚げな雰囲気というか……触ったら折れそうだ。
近くでよく見ると、やっぱりすごく可愛い顔をしてるし、友達がみんな「可愛い」って言ってたのもわかる気がするな……って、何考えてんだ俺。
「ありがとう。助かった」
礼を言うと、またちょっと赤くなって下を向く彼女。
「ど、どういたしまして……」
「柏木は、いつも絆創膏持ち歩いてんの?」