【完】もう一度、キミのとなりで。
驚きのあまり大声が出てしまう。
まさか、新学期早々碧空くんが私のことを迎えに来るとは思わなかった。
確かに家は近いけれど……お母さんもいるのに。
もちろん、お母さんだって碧空くんのことはよく知っている。付き合っていたことも。
でも、お母さんには私が振られて別れたということにしてあるから、今ごろ彼が家に現れたりしたらビックリだよね。
「もしかして……また付き合うことにしたの?」
「ちちち、違うよっ!」
「あらそう。まぁいいわ。行ってらっしゃい」
「いってきます」
ドキドキしながら玄関のドアを開ける。
すると、碧空くんが本当に家の前に立っていて心臓が飛び跳ねた。
わあぁ、どうしよう……。
久しぶりに見た制服姿の彼。やっぱりカッコいい。
直接顔を合わせるのはあの告白以来だし、普通に話せるかな、私。