【完】もう一度、キミのとなりで。

それからというもの、碧空くんは学校でもうちの教室に頻繁に会いに来てくれるようになった。


教科書を借りに来たり、勉強を教えてもらいに来たり。他にも図書委員の日の帰りは待っていてくれたりして。


言葉どおり積極的な彼。なんだか付き合っているみたいでドキドキする。


碧空くんといるとやっぱり楽しくて、居心地がよくて、どんどん自分の中でも彼を好きな気持ちが膨らんでいった。


「なんか蛍、最近碧空くんと仲いいよね?」


ある日の休み時間、加奈子ちゃんが声をかけてきた。


「そ、そうかな」


「うん。よく蛍のところに会いにきてるじゃん。

あの碧空くんに好かれるなんて、蛍もやるね~」


「えっ、そんなことないよっ!」


「そんなことあるでしょ~。もうっ、羨ましいなぁ。

こうなったら碧空くんと付き合っちゃえば?」


「……っ」


冷かされてしまい返事に困る。


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