【完】もう一度、キミのとなりで。

「それじゃ蛍、図書委員頑張ってね!」


「うんっ。ありがとう」


放課後、加奈子ちゃんと別れていつものように図書室へと向かう。


今日は水曜日なので部活はお休み。廊下を通るとみんな、「帰り道どこか寄ってく?」なんて話していたりして、とても賑やかだった。


ふと窓の外を覗くと、グラウンドが見えて、その中についつい碧空くんの姿を探してしまう私。


今日も自主練してたりするのかな?なんて。


彼のことを考えるだけで、胸があったかくなる。顔がほころんでしまう。


我ながら重症だなと思った。


加奈子ちゃんは「付き合っちゃえば?」なんて言ってくれたけど、付き合ったら今度はうまくいくのかな……。


自信のない私は、やっぱり碧空くんと自分がつり合わないんじゃないかってどこかで思っていて。どうしてもヨリを戻すことに対して不安がぬぐえないのだった。


考えすぎ、なのかな……。


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