【完】もう一度、キミのとなりで。
「うん。ごめんなさいっ」
もう一度ハッキリとそう告げたら、彼は数秒間沈黙して、それからポンポンと私の頭を撫でてくれた。
「……わかった」
思わず涙がこぼれそうになる。
「悩ませて、ごめんな。ありがとう」
やっぱり彼は最後まで優しくて……。
そんな彼の気持ちに応えることができないのが、苦しくてたまらなかった。
「そ、そういうことだから……。それじゃっ」
走って教室を飛び出す。
このままじゃ、泣いているところを彼に見られてしまうと思い、慌てて逃げてきてしまった。
涙がどんどんあふれてきて、止まらなくなる。
ねぇ、これでよかったんだよね……?
自分でも何が正しいのかよくわからなかった。
私の弱虫。いくじなし……。
こんな私、碧空くんに好きになってもらう資格なんてないよ。
ごめんね。ごめんなさい……。