【完】もう一度、キミのとなりで。

「……で、落ち着いた?」


階段の隅っこに矢吹くんと二人で座る。


先ほどはバカみたいに泣きじゃくっていた私だけれど、今になって我に返ったら、なんだかものすごく恥ずかしくなってきた。


私は一体何をやっているんだろう。矢吹くんにまで迷惑かけて……。


「お、落ち着きました。ありがとう……」


下を向きながら答える。


すると、矢吹くんがクスッと笑った。


「何事かと思ったよ。この世の終わりみたいな顔してるから」


「……っ」


この世の終わりって……私そんなひどい顔をしてたんだ。


「ご、ごめんね」


「いや、べつにいいけど。

お前も色々大変そうだしな」


そう言われて、やっぱり心配してくれたんだなと思う。


< 360 / 414 >

この作品をシェア

pagetop