【完】もう一度、キミのとなりで。
「……で、落ち着いた?」
階段の隅っこに矢吹くんと二人で座る。
先ほどはバカみたいに泣きじゃくっていた私だけれど、今になって我に返ったら、なんだかものすごく恥ずかしくなってきた。
私は一体何をやっているんだろう。矢吹くんにまで迷惑かけて……。
「お、落ち着きました。ありがとう……」
下を向きながら答える。
すると、矢吹くんがクスッと笑った。
「何事かと思ったよ。この世の終わりみたいな顔してるから」
「……っ」
この世の終わりって……私そんなひどい顔をしてたんだ。
「ご、ごめんね」
「いや、べつにいいけど。
お前も色々大変そうだしな」
そう言われて、やっぱり心配してくれたんだなと思う。