【完】もう一度、キミのとなりで。
校門に向かって歩く蛍の姿。だけど、彼女は一人じゃない。
隣を歩いているのは、背の高い男子生徒。
確かあいつは……矢吹だっけ?
よく蛍と一緒にいる奴だ。バスケが得意で顔もイケメンで。
……知らなかった。二人で一緒に帰ったりしてるんだ。
ますます胸がズキズキと痛む。
さっきまであんなに泣きそうな顔をしていたはずなのに、今、俺の目に映る蛍は少し楽しそうだ。
矢吹も蛍を見て、微笑みながら何か話してる。
やっぱり、仲いいんだな……。
すると次の瞬間矢吹の手が、蛍の頭を優しくポンポンと撫でた。
照れたように笑う蛍。
それを見て、ハッとする俺。
もしかして、蛍が断った本当の理由は……。
ウソだろ。
じゃあ俺は、ずっと勘違いしてただけなのか。