【完】もう一度、キミのとなりで。

その夜、俺は一人自分の部屋のベッドに寝転がっていた。


スマホを片手に何度も何度も文章を打ち直す。


蛍に送るメッセージをずっと考えていた。


正直何度振られたって、蛍への気持ちが消えるわけじゃない。


だけど、ふと思ったんだ。


このまま俺が蛍を追い続けたって、それは俺の自己満でしかなくて。


彼女の本当の幸せを願うなら、俺はもう、近づかないほうがいいんじゃないかって。


もう俺のことは好きになれないって言われたんだ。


蛍がもし矢吹のことを好きなんだとしたら、悔しいけど俺は、それを見守るしかないんだ。


本当は俺が、幸せにしたかったけど……。



『たくさん振り回してごめんな。

蛍のことはもうあきらめるから。

今までありがとう。

でも、これだけは言わせて。


俺は誰よりも蛍の幸せを願ってる。』