【完】もう一度、キミのとなりで。
外を見ると少し暗い。
秋になってだんだんと日が短くなってきたような気がする。
だけど、その時ふいに外からヒュウッと風が吹き込んできて。リクエストカートが何枚か飛ばされてしまった。
「あっ……」
慌ててしゃがんで拾い集める。
もう、またやっちゃった。どうして……。
すると、目の前に誰かが現れてその紙を拾ってくれて、私はハッとして顔を上げた。
なんか、こういうの前にもあったような……。
「はい、これ。落ちたよ」
「あ、どうも……」
だけど、よく見たらその人は全く知らない人で。
ガッカリしてしまった私は一体なんなんだろう。
もしかしたらまた、碧空くんが拾ってくれたんじゃないかって一瞬期待してしまった。
バカだ。本当にバカ……。
碧空くんがここにいるわけないのに。