【完】もう一度、キミのとなりで。
そんな彼女を阻止するかのように、腕をギュッと掴む碧空くん。
「ごめん、蛍と二人きりにして」
思いがけない彼の言葉に心臓が飛び跳ねる。
「や、やだ、何言ってるの?これからミーティングあるじゃん!
そんなの今じゃなくたって別に……」
「でも、俺にとっては大事なことだから」
えっ……。
真剣な表情でハッキリとそう言い切った彼を見て、思わず胸が熱くなった。
どうしよう。“大事なこと”って言ってくれた……。
「……っ。なによそれ。
部活のミーティングより大事だっていうわけ!?
わかったわよ!もう勝手にすれば!?」
半泣きのような顔で走ってその場を立ち去る美希ちゃん。
それを見たら、彼女を追いだしてしまったようで少し申し訳ない気持ちになった。
バタンと勢いよく保健室のドアが閉まる。
残された私と彼はその場に二人きりになった。