【完】もう一度、キミのとなりで。
碧空くんは何も言わない。


しばらくその場に沈黙が流れる。


やっぱりもう、遅いよね……。


だけど、不意に彼がベッドから立ち上がって。


「……誰が、片想いだって?」


その声にドキッとして顔を上げたら、次の瞬間彼の両腕が私の体をぎゅっと包み込んだ。


「……っ、好きだよ。俺だって、蛍が好きだ。

あきらめるなんてウソに決まってるだろ」


「えっ……」


信じられなかった。


ウソみたい……。どうしよう。


絶対もう遅いと思ってたのに……。


また目に涙がじわじわとあふれてくる。


「無理だから。蛍のこと好きじゃなくなるなんて、俺にはできなかった。

だって俺、わざわざ高校まで追いかけて来たのに……」


「え、ウソッ!」


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