【完】もう一度、キミのとなりで。
なにそれ、そんなの初耳だよ。
そこまでして私のことを……?
「ただ、他に好きな奴がいるんだったら、いつまでも追いかけるんじゃなくて、蛍の幸せを願って諦めなくちゃって思ったんだよ」
「……えっ。他に好きな人!?」
何の事だかよくわからなくて、戸惑いながらも顔を上げる。
そしたら碧空くんは私を見つめながら困ったように笑った。
「でも、無理だった。諦められなかった。
やっぱり俺には蛍しかいないから。
一度は好きになってもらえたんだから、いつか絶対また好きになってもらえるはずだって信じてた」
彼の大きな手がそっと私の頬に触れる。
「……あきらめなくてよかった」
その言葉を聞いて、また涙がこぼれ落ちた。
碧空くんは、本当にずっと私のことを想い続けてくれていたんだね。
私が何度逃げても、彼はあきらめずにいてくれたんだ。
そう思ったら涙が止まらなくなる。