【完】もう一度、キミのとなりで。

子供のころから私は、喋るのが苦手だった。


滑舌が悪く舌ったらずで、早口でスラスラ話すことができない。


声も小さくて自信なさげに話すから、聞こえづらくて、時々相手をイライラさせてしまう。


話すのが遅いから、それを「可愛い」なんて言ってくれる人もたまにいるけれど、「えっ?」「はぁっ?」なんて聞き返されることもしょっちゅうで。


そのたびに委縮してしまうから、だったらもうあまり話さないでいようなんて思ってたら、どんどん無口になって。


そんなふうだから、中学まではあまり仲のいい友達がいなかった。


でも、高校では少し違う。


< 4 / 414 >

この作品をシェア

pagetop