【完】もう一度、キミのとなりで。
「碧空くんっ……」
彼の背中に手を回し、ぎゅっと抱き付く。
「私も、だよ……。本当はずっと、好きだった……」
「えっ?」
そう。本当は私だって、同じ。
「忘れたことなんて、なかったよ……」
「マジ、かよ……」
碧空くんの声も震えている。
「好き。碧空くんが、好きっ……」
嗚咽交じりにそう告げたら、彼も力いっぱい抱きしめ返してくれた。
体中が碧空くんの温もりでいっぱいになる。
「俺も好きだよ……。もう絶対離さない。
どんなことがあっても、今度は一緒に乗り越えような」
「……うんっ」
「どこにも行くなよ。
蛍のそばにいることが、俺の幸せなんだから」
「うんっ。私も……」