【完】もう一度、キミのとなりで。
「ち、違うよっ!なんで?」
「いやー、蛍あいつと仲いいし、よく一緒にいるからさ、てっきりそれが理由で断られたんだと思ってたんだよ」
「ま、まさか!矢吹くんはただの友達だよっ!」
慌てて私が否定すると、ふいに碧空くんが立ち止まる。
そしてこちらを振り返り、私の顔をじーっと覗き込んできた。
「……じゃあ、俺は?」
「えっ?」
それは……矢吹くんが友達なら、俺は何?ってことかな。
「えっと……そ、碧空くんは……」
言うのが恥ずかしくて、急にドキドキしてくる。
すると、碧空くんが下を向く私の顎をひょいとすくいあげ、そのまま優しく唇を重ねてきた。
「んっ……」
不意打ちのキスにどきんと心臓が飛び跳ねる。
「彼氏だろ?」