【完】もう一度、キミのとなりで。
「あれでしょ、碧空くんの彼女」
「自分で振ったくせにまたヨリ戻したんでしょ。勝手だよね」
「どうせすぐ別れるよ」
こういうのはもう、ヨリを戻してからは毎日のことで、なるべく聞き流すことにしている。
やっぱり傷付くし、辛い気持ちにはなるけれど、気にして弱気になっちゃダメだから……。
「うわ、ウザい。また来てるよあの子たち。
蛍、気にしなくていいからね」
「う、うん」
加奈子ちゃんも気づいてたみたいで、励ましてくれる。
「こんなの今だけだから。そのうちおとなしくなるよ」
その言葉を信じて、今はただ耐えようって思った。
――バンッ!
だけどその時、どこからか思いきり机を叩く音がして。
ビックリして振り返ったらそこにはなんと、矢吹くんが怖い表情で立っていた。
嫌味を言う女子たちのことを睨みながら。