【完】もう一度、キミのとなりで。
「お前ら、うるせーよ。
毎日うちのクラス来てコソコソくだらねぇことばっか噂しやがって。目障りなんだよ。
人のこと僻む暇あるんなら、もっと自分のこと磨けば?」
「……」
言われた女子たちは目を丸くして完全にフリーズしている。
私もまさか、矢吹くんが彼女たちに注意してくれるとは思わなかったので、驚きのあまり固まってしまった。
……かばってくれたんだ。
「やだ、矢吹くんカッコいいじゃん……」
加奈子ちゃんは隣で感激した様子で手を合わせている。
クラスのみんなの視線が一気にこちらに集まるのがわかった。
「い、行こっ」
「うん」
周りに注目されて、気まずそうな顔で去っていく女子たち。
ふぅ、とため息を吐いて自分の席に着く矢吹くん。