【完】もう一度、キミのとなりで。

「そのストラップ、懐かしい……」


「あぁ、これ?最近付け替えたんだよ」


「昔、私があげたやつだよね。

ずっと持っててくれたの?」


私が問いかけると、笑顔で頷く彼。


「うん。だって、大事にするって約束したし。

お守りみたいにずっと持ってたよ」


それを聞いて思う。やっぱり、あれはなんとなく付けていたわけじゃなかったんだ。


こんなにボロボロになるまで大事に付けていてくれたんだね。


「ありがとう。嬉しい」


はにかみながらお礼を言ったら、碧空くんが繋いだ手をぎゅっと握りしめてくる。


そして、まっすぐ私を見つめながらこう言った。


「これからもずっと、大事にするよ。

このストラップも。蛍のことも」


「えっ……?」


「一生大事にする」


「……っ」


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