【完】もう一度、キミのとなりで。
碧空くんと一緒に帰った次の日のこと。
学校に着くと、私はおそるおそる1組の教室をたずねた。
あの学生証の入ったパスケースを彼に返すために。
昨日話したばかりだから、話しかけることにそこまで抵抗はなかったけれど、それでも彼をたずねていくのには、かなり勇気がいった。
だって、なんか、碧空くんってすごく目立つから。
一緒に話しているところを見られて、自分まで注目されてしまうのが少し怖くて。
でも別に、用事もなくたずねてるわけじゃないから大丈夫だよね?
ドアの前に来て、教室の中をのぞいてみると、碧空くんはいつもの仲良しメンバーらしき男の子たちと楽しそうに話している。
私は大きな声で彼を呼ぶわけにもいかず、だからと言って中に入って直接声をかけることもできなくて、彼がこちらに気づいてくれないものかと思い、必死で視線を送っていた。
だけど、今日に限ってなかなか目が合わない。
どうしよう……。