【完】もう一度、キミのとなりで。

ふいに加奈子ちゃんが尋ねる。


「い、いないよっ!

私はもう、そういうのは全然…」


「なんでーっ?もったいない~。

蛍、可愛いから男子に人気あるんだよ。

その気になればいくらでも彼氏とかできるって」


彼女はいつもこんなふうに言ってくれるんだけど……。


「そ、そんなことないよっ。

それに私、男の子は、苦手だから…」


「えーっ」


残念ながら私はあまり男の子に興味が持てない…というより、男の子と関わるのがちょっと怖い。


中学時代に色々あったせいで、恋愛に対してはかなり臆病になってしまっていた。


自分に幸せな恋愛ができるとは思えなくて。


もう恋をして傷付くのも、誰かを傷つけるのも嫌だから。


今はただ、こうして毎日平和に過ごせていれば、それでいいんだ。


新しくまた誰かを好きになるなんてこと、今の私にはとても想像できないから。


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