【完】もう一度、キミのとなりで。
「はぁ、だめだこりゃ。
ちょっと先生抜けるから、その間指揮者の柊木、頼んだぞ。
戻ってくるまでしっかり練習しとけよ」
先生が教室から出て行ったとたんに、不満の声が次々と漏れる。
「もーつかれた~。帰りたーい」
「だるーい。合唱とかどうでもいいし」
「そこまでガチでやる意味あんの?」
特にうちのクラスは派手で気の強い女子が多かったので、その派手なグループの女子たちはかなりイラついてる様子だった。
「はい、じゃあもう一回だけいこうぜ!」
クラスのムードメーカー的存在で、指揮者をやっていた碧空くんがみんなに声をかけ、もう一回歌いなおす。
だけど、やっぱり女子の声があまり出ていなくて……。
「女子、ちっさい」
「これじゃまた帰れねーよ」