【完】もう一度、キミのとなりで。

そう言ってくれる碧空くんはさすが、正義感が強いというか、人間が出来ているというか。見た目だけじゃなくて、人としてカッコいいなって思う。


この人がモテる理由がなんとなくわかった気がするなぁ。


「あの、すごく……うれしかった……です」


だから、ありったけの感謝の気持ちを伝えたくて、照れながらもそう口にしたら、彼は一瞬目を見開いてから、はにかんだように笑った。


「いやぁ、そう言われると、俺も嬉しいです……なんて。

へへっ」


真似したように言われて、恥ずかしくなると同時に笑みがこぼれる。


「ふふっ」


思わず一緒に笑ったら、なぜかお互い止まらなくなってしまい、しばらくクスクスと二人で笑っていた。


「あははっ」


……なんだろう、楽しい。


あの近寄りがたいと思っていた碧空くんと、こんなふうに話せるなんて。笑いあえるなんて。


夢でも見てるみたいだなぁ……。


< 91 / 414 >

この作品をシェア

pagetop