【完】もう一度、キミのとなりで。
――キーンコーン。
化学の授業を終えた後は、再び加奈子ちゃんと一緒に教室へと戻る。
加奈子ちゃんは相変わらず上機嫌で、朝の結城先輩の笑顔がかなり効いているみたいだった。
「ふふ、また1組に来てないかな~。
お昼休み、学食でも会えたらいいな」
「うん、また会えるといいね」
だけど、話している途中でハッとする。
あれ?私、そういえばやけに荷物が軽いような……。
そう思って手元を確認すると、なぜかノートと教科書しか持っていない事に気が付いて。バカなことに、どうやら理科室にペンケースを忘れてきてしまったようだった。
やだ、ウソ……!何やってるの私。
「ごめん!加奈子ちゃん、ちょっと先戻ってて!」
「えっ?どしたの?」
「理科室にペンケース忘れちゃったから取りに行ってくる!」