【完】もう一度、キミのとなりで。
慌てて加奈子ちゃんにそう告げて理科室へと引き返す。
相変わらずの自分の間抜けさに呆れてしまった。
忘れものに落とし物、そんなのばっかりだよ……。
するとその途中で急に声をかけられる。
「あれ?蛍。どうした?」
誰かと思えば、さっきも顔を合わせたはずの碧空くんで。
……ビックリした。今日はよく会うなぁ。
「あ、えっと……理科室にペンケースを、忘れちゃって……」
恥ずかしいと思いながらもワケを話したら、碧空くんはそんな私を見てクスッと笑った。
「ははっ、マジかよ。蛍らしいな」
「えっ!」
私らしい、だって……。
「俺も今から理科室行くとこだよ」
「ウソ、碧空くんも?」
「うん。一緒に行く?」