円舞曲はあなたの腕の中で~お嬢様、メイドになって舞踏会に潜入する~

それよりも、ウィリアムが
首尾よく妹をの心を手にしたのか?

そっちの方に関心があった。

ウィリアムのことだから、
好きな女性に乱暴なことはしないだろう。

いや、この場合はむしろ少々荒々しく
扱った方がいい。

あんなに立派ななりしているのに、
ウィリアムったら、エリノアの前だと、
ウサギのように可愛くなってしまうのが
問題なのだ。


あら、でも。
恋人に発展するシチュエーションとしては完璧だわ、とメアリーは思った。


彼の意中の女性が身分を隠して、
メイドの振りなんかしていた。

そのために危機にあったと知って、
どこからともなく颯爽と現れて、
大切な女性を連れ去って行くだなんて。

ウィリアムったら、どうやってそんな
筋書きを思いついたのかしら。

世の中は不思議た。

まったく恋愛感情なんか、
理解しようとしない人が、
一番ロマンチックな行動を取るなんて。



後は、こうして二人っきり、
愛情を深めればいいのだ。

ウィリアムは、妹が可愛くて
仕方がないはず。

ああ、それには待たなくてはいけない。

でも、ノックしてどうなってるの?
って確かめたい。


もしかしたら、すぐに結婚なんて話が
まとまるかも。
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