円舞曲はあなたの腕の中で~お嬢様、メイドになって舞踏会に潜入する~

「まあ、なんてすばらしいの」

エリノアは、見違えるばかりの
きれいな女性になった。

「お肌も、きれいな元の状態に戻って、
輝くばかりのお肌に戻りましたよ」
アリスが自慢げに言う。


「アリス、私の肌はきれいだった?」

エリノアがかろうじて聞き取れるほどの
小さな声で言う。

「もちろんですとも。
私が丹精込めて磨き上げてますから」


「でも、アリス、ウィルは
何にも言わなかったわ」

「それは、エリノア様が美しくて、
声が出なかったんでしょう。
ウィリアム様は、ずっと待ち望んで
いらっしゃいましたから」


「どうしてお前に
そんなことが分かるの?」

「ウィリアム様が、エリノア様を見る時の目を見れば分かりますよ」

「ウィルの目なんか……」

「優しいお顔されます。
いつも、エリノア様のお姿が
消えてなくなるまで、
ずっと見ていたいという
お顔をされてますよ。
ご存じないのはエリノア様だけです」

「だって、そんなこと、
気にしたことないもの。
ウィリアムは、いつもそばにいたし」


「昔から、エリノアばっかり
だったわね。大のお気に入りで」
メアリーが加勢した。
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