円舞曲はあなたの腕の中で~お嬢様、メイドになって舞踏会に潜入する~
エリノアはウィリアムの姿を探していた。
長い間そうしてきた。
社交の場に着いたら、
すぐに彼の姿を見つけるようにしてきた。
彼の姿を見つけると、安心できた。
社交の礼儀をうっかり間違えてしまった時、すぐにウィリアムに聞けばよかった。
彼は、すぐに大丈夫だと言ってくれ、
ミスを補ってくれる。
今まで、あまりにも頼りにしていた。
兄のように慕っていたのに。
もう、そういう感情も
押し留めないといけないのだろうか?
それを止めるのは容易ではない。
何か不安があると、
エリノアは年上の従兄を頼って
それが癖になっている。
彼の後ろについて、真似をしていけば
間違いがなかった。