円舞曲はあなたの腕の中で~お嬢様、メイドになって舞踏会に潜入する~
「どこへ行くの?」
「帰るのよ」
「どうして?まだ来たばかりなのに」
「私は、もう、用は終わったわ」
「用事って?ブラッドリー卿と踊ること?」
「そうとも言えるわね」
「君は、そのために、
おめかししてドレスに着替えたのかい?」
「違うわ。ウィリアムのためなんてこと、
あるもんですか」
そう言われると、なんか癪に障る。
「もう、帰るってことは、踊る相手、
まだ決まってないんだろう?」
「私は、踊る相手がいなくて帰る
わけじゃないわ」
「じゃあ、どうして帰るの?」
「帰りたいからよ。決まってるじゃないの」
「僕は、トーマス・オマリー君は?」
「エリノア・アストンよ」
彼は、よろしくと挨拶して手を差しだした。
よりによって、声をかけられたのは、
ウィリアムのすぐ目の前だった。
エリノアは、ウィリアムが、何か言いだすのではないかと思って手を引っ込めた。
トーマスが気が付いて声をかける。
「エリノア?君って
ブラッドリー卿と何か関係があるの?」
エリノアは、リディアと一緒にいるウィリアムのことをチラッと見た。
「いいえ、単なる従兄っていうだけだわ」
トーマスは、興味を引かれたのか、
エリノアにぐっと近づいてくる。
ブラッドリー卿は従兄なの?
だったら、どうしてメイドになんかになってたの?」
「多分、一日にしてメイドから見出されて
レディになったのよ」
トーマスが豪快に笑い出した。
「エリノア?本当に君って面白いんだね。
やっぱり踊ろうよ。僕も退屈してたんだ」
彼は、大胆にもエリノアを
ホールの真ん中に連れて行った。
そうして、強引にぴったり体を
くっ付けて、踊り出した。
トーマスは、時々ステップを
間違えたけれども、そんなことは気にせず、
二人は、お互いの話に笑いあって
夢中になっていた。
エリノアも、
大らかなトーマスの話に乗せられ、
不快な出来事のことも忘れていた。
「帰るのよ」
「どうして?まだ来たばかりなのに」
「私は、もう、用は終わったわ」
「用事って?ブラッドリー卿と踊ること?」
「そうとも言えるわね」
「君は、そのために、
おめかししてドレスに着替えたのかい?」
「違うわ。ウィリアムのためなんてこと、
あるもんですか」
そう言われると、なんか癪に障る。
「もう、帰るってことは、踊る相手、
まだ決まってないんだろう?」
「私は、踊る相手がいなくて帰る
わけじゃないわ」
「じゃあ、どうして帰るの?」
「帰りたいからよ。決まってるじゃないの」
「僕は、トーマス・オマリー君は?」
「エリノア・アストンよ」
彼は、よろしくと挨拶して手を差しだした。
よりによって、声をかけられたのは、
ウィリアムのすぐ目の前だった。
エリノアは、ウィリアムが、何か言いだすのではないかと思って手を引っ込めた。
トーマスが気が付いて声をかける。
「エリノア?君って
ブラッドリー卿と何か関係があるの?」
エリノアは、リディアと一緒にいるウィリアムのことをチラッと見た。
「いいえ、単なる従兄っていうだけだわ」
トーマスは、興味を引かれたのか、
エリノアにぐっと近づいてくる。
ブラッドリー卿は従兄なの?
だったら、どうしてメイドになんかになってたの?」
「多分、一日にしてメイドから見出されて
レディになったのよ」
トーマスが豪快に笑い出した。
「エリノア?本当に君って面白いんだね。
やっぱり踊ろうよ。僕も退屈してたんだ」
彼は、大胆にもエリノアを
ホールの真ん中に連れて行った。
そうして、強引にぴったり体を
くっ付けて、踊り出した。
トーマスは、時々ステップを
間違えたけれども、そんなことは気にせず、
二人は、お互いの話に笑いあって
夢中になっていた。
エリノアも、
大らかなトーマスの話に乗せられ、
不快な出来事のことも忘れていた。