円舞曲はあなたの腕の中で~お嬢様、メイドになって舞踏会に潜入する~
「たいした変わりようね。
男性に見向きもしなかったのに。
今日は、頬がさっと赤くなるのが
分かったわよ」
「そうかしら。
ちょっとホールの中が暑かったから」
「でも、どうするの?
彼はアメリカ人だって聞いてるわ」
「ねえ、メアリー、彼
遊びにおいでって言ってたわ。
アメリカに遊びに来てほしんですって」
「エリノア!しっかりして。
そんなわけにいかないのは、
わかってるでしょう?」
「そうかしら?楽しそうよ。
いろんな事業をやってるんですって。
工場とか農場とか。
きっとこの辺りとは、
まるで違うやり方でやってるんでしょうね。
楽しみだわ」
「まさか、本気で行く気じゃない
でしょうね?」
「あら、どうして。
遊びに行くくらい、いいじゃない」
「遊びって。そんなわけにいかないでしょう?ちゃんと考えたの?」
「もちろん」