円舞曲はあなたの腕の中で~お嬢様、メイドになって舞踏会に潜入する~
ランプは、手に持っていくと
目立ってしまうだろう。
追いかける方は、明かりを持てない。
エリノアは、慌ててナイトガウンを
羽織って廊下の外に出た。
月がいつもより明るく
感じるけど、廊下は暗かった。
エリノアは、廊下の壁ぞいを歩く。
階段を降りていくと、
二人の手元の明かりを頼りに
歩いていくと、使用人の食堂についた。
本当にトーマスだろうか?
真っ暗な状態では、
男の顔まで確認できない。
エリノアは、もう一歩、
二人に近づいた。
男は、食堂のテーブルに女を座らせ、
ぴったりと抱き合ってる。
二人がしていることが何なのか、
エリノアにもわかった。
ウィリアムに同じことを、
しようとした。
ウィリアムは、もっと優しく
触れるように唇に触れて来たけど。
あんなに大胆に、
激しくはなかった。
男の方は、あろうことか
みんなで食事をしていたテーブルに、女を押し倒した。