円舞曲はあなたの腕の中で~お嬢様、メイドになって舞踏会に潜入する~
「なんでって、あんなに仲良くして……」
エリノアは、彼の瞳をのぞき込んだ。
小さい頃は、こうしてじっと瞳を見ることで、従兄の考えてることが分かるような気がしてたのに。
近頃は、こんなに接近することも
なかった。
「仲良くしてって?ああ、ダンスの時の
こと?」
エリノアを抱いている彼の腕に、
ぎゅっと力が入る。
「あの時、彼と将来の約束でもしたのかと思った」
ウィリアムの頭が、彼女の方に、
しなだれかかる。
暖炉の炎は、勢いを増して熱いくらいに
燃え盛っている。
「アメリカに来てみないって誘われたけど。約束なんてしてないわ」
「そうなのか……」
「行くって言わなくてよかった。だって、彼はミーガンと……」
「ミーガンと何かあったとしても、
彼女は、ただの使用人だ」
エリノアは、彼から距離を置いて、
瞳がのぞける位置までそっと離れた。
「使用人でも、私にとっては、
とても仲良くしてた友達だわ」
「エリノア?だからって、トーマスを
責められないよ。
彼のしたことは、褒められたことではないけれど、立場をわきまえれば、非難されることはないからね」
「でも、人間としては最低」
伯爵家のキッチンで見たことを
思い出して言う。
エリノアは、思わず身震いした。
「そうか……」
ウィリアムは、笑ってエリノアの体を
グッと引き寄せる。
「寒くないか?」
「ええ……」
「でも、震えてる」
エリノアは、トーマスのことを思い出
していた。
階下であんなことをしていながら、
上では、何ごともなかったみたいに
誘うなんて。
視線に気が付いて、エリノアは顔を
あげた。
「ウィリアム?」
エリノアは、彼がずっと自分の顔を見つめているのに気が付いた。
「トーマスのことは、もういいのか?」
彼の指がエリノアの髪に触れている。
「どうして、トーマスのことなんか聞くの?」
エリノアは、彼の瞳をのぞき込んだ。
小さい頃は、こうしてじっと瞳を見ることで、従兄の考えてることが分かるような気がしてたのに。
近頃は、こんなに接近することも
なかった。
「仲良くしてって?ああ、ダンスの時の
こと?」
エリノアを抱いている彼の腕に、
ぎゅっと力が入る。
「あの時、彼と将来の約束でもしたのかと思った」
ウィリアムの頭が、彼女の方に、
しなだれかかる。
暖炉の炎は、勢いを増して熱いくらいに
燃え盛っている。
「アメリカに来てみないって誘われたけど。約束なんてしてないわ」
「そうなのか……」
「行くって言わなくてよかった。だって、彼はミーガンと……」
「ミーガンと何かあったとしても、
彼女は、ただの使用人だ」
エリノアは、彼から距離を置いて、
瞳がのぞける位置までそっと離れた。
「使用人でも、私にとっては、
とても仲良くしてた友達だわ」
「エリノア?だからって、トーマスを
責められないよ。
彼のしたことは、褒められたことではないけれど、立場をわきまえれば、非難されることはないからね」
「でも、人間としては最低」
伯爵家のキッチンで見たことを
思い出して言う。
エリノアは、思わず身震いした。
「そうか……」
ウィリアムは、笑ってエリノアの体を
グッと引き寄せる。
「寒くないか?」
「ええ……」
「でも、震えてる」
エリノアは、トーマスのことを思い出
していた。
階下であんなことをしていながら、
上では、何ごともなかったみたいに
誘うなんて。
視線に気が付いて、エリノアは顔を
あげた。
「ウィリアム?」
エリノアは、彼がずっと自分の顔を見つめているのに気が付いた。
「トーマスのことは、もういいのか?」
彼の指がエリノアの髪に触れている。
「どうして、トーマスのことなんか聞くの?」