円舞曲はあなたの腕の中で~お嬢様、メイドになって舞踏会に潜入する~
カドリールが終わると、
次はワルツになった。
ふたりきりで踊れるワルツ
(円舞曲)は、もちろん、
ウィリアムと踊ることになっている。
ウィリアムがエリノアのもとへ
やって来た。
恭しく手を差しだし、
彼女のもとに跪いた。
「ウィリアムどうしたの?
踊りが始まってしまうわ」
「エリノア、聞いてくれるかい?」
「ええ、もちろん」
「僕と、結婚してください」
「ウ、ウィリアム……
今、何て言ったの?」
「エリノア、
ちゃんと聞こえてただろう?」
「ええ……えっと、
私でよろしいのですか?侯爵様」
「あなた以外、他に誰がいるんですか?」
「ええ、もちろんよ。
ウィリアム、私だって、
あなた以外考えられないわ」
ホールの中央で、二人は抱き合ったまま
見つめあっているので、
集まった人たちも、
何事かと踊りを止めて二人を見ていた。
やがて、侯爵様が
プロポーズしたと分かると、
会場が拍手で埋め尽くされた。
二人は、ずっと祝福されお幸せにと
みんなに歓迎された。
二人の結婚に、
水を差すようなことを言う人は
いなかったけれども、
どうせなら駆け落ちして
一緒になればよかったのに、
とウィリアムは散々からかわれた。
でも、彼はいちいち真面目くさって、
駆け落ちは、
それほどいい方法ではないと、
ジョークを言った人たちに、
理路整然と答えるのだった。
【完】
次はワルツになった。
ふたりきりで踊れるワルツ
(円舞曲)は、もちろん、
ウィリアムと踊ることになっている。
ウィリアムがエリノアのもとへ
やって来た。
恭しく手を差しだし、
彼女のもとに跪いた。
「ウィリアムどうしたの?
踊りが始まってしまうわ」
「エリノア、聞いてくれるかい?」
「ええ、もちろん」
「僕と、結婚してください」
「ウ、ウィリアム……
今、何て言ったの?」
「エリノア、
ちゃんと聞こえてただろう?」
「ええ……えっと、
私でよろしいのですか?侯爵様」
「あなた以外、他に誰がいるんですか?」
「ええ、もちろんよ。
ウィリアム、私だって、
あなた以外考えられないわ」
ホールの中央で、二人は抱き合ったまま
見つめあっているので、
集まった人たちも、
何事かと踊りを止めて二人を見ていた。
やがて、侯爵様が
プロポーズしたと分かると、
会場が拍手で埋め尽くされた。
二人は、ずっと祝福されお幸せにと
みんなに歓迎された。
二人の結婚に、
水を差すようなことを言う人は
いなかったけれども、
どうせなら駆け落ちして
一緒になればよかったのに、
とウィリアムは散々からかわれた。
でも、彼はいちいち真面目くさって、
駆け落ちは、
それほどいい方法ではないと、
ジョークを言った人たちに、
理路整然と答えるのだった。
【完】