円舞曲はあなたの腕の中で~お嬢様、メイドになって舞踏会に潜入する~


ウィリアムが誰に申し込もうと、
彼の好きにすればいいといいのが、
エリノアの本音であった。

彼が、この家の娘と関係ない、
娘を花嫁を選べば、家の土地と屋敷は
ウィリアムのものになる。

エリノア達一家は、下手をすると
この土地から追い出され、
新しい土地で細々と
暮らさなくてはならないかもしれない。

そう思うと、母をからかうのは
気の毒だと思って、口をつぐんでいた。

だからと言って、いたずらに
騒いでしまったら、
物事は良い方には向かわない。

実は、ウィリアムに追い出されたら
どうしようかというのは、
ずっと前から考えていた。

一生面倒を見てくれる旦那を探すより、
働き口を探す方が、
ずっと簡単ではないか。

そのために、エリノアは考えていた。

この屋敷を追い出されたとしても、
菜園の研究成果をもとに、
王立アカデミーに頼み込んで
仕事に1つくらい融通してもらえる。


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