円舞曲はあなたの腕の中で~お嬢様、メイドになって舞踏会に潜入する~
「そうねえ。でも、アメリカ人の奥様は、ウィリアムに限ってないと思うわ、お母様。
ウィリアムは、ご自分の立場をよくわかっていらっしゃるもの。
だから、そんな思いきったことをするような人じゃないと思うわ」
メアリーが落ち着き払って言う。
「そうよ。きっとそうだと思うわ」
エリノアは、母を静かにさせるためにメアリーの味方をした。
メアリーが言うと、とても説得力がある。
もう少し読みたい本もあるし、もう少しここに居ようかなとエリノアは背筋を伸ばした。
それにしても、ウィリアムが言う通り、この本の内容は古臭く役に立たなかった。
またしても、彼の言う通りだった。