キス税を払う?それともキスする?
 奥村は何か思い出したように口を開いた。

「そういえば南田さんのお名前って湊人さんなんですね。」

 今…なんて…。

「…もう一度言ってくれ。」

「え?湊人さん…ですよね?」

 みなと…さん…そうつぶやいて南田は続けて小さくボソッとつぶやいた。

「名を呼ばれただけで心臓が踊るようだ。」

 名を呼んだり呼ばれたりするだけで、こんなに心が弾むものだとは…。

「みなみだみなとってすごい名前だって自慢したいってことですか?」

 奥村の言葉に南田は目を見開くことになった。

「本当に君は予測不可能な言動をする。」

 そう口にした南田は柔らかい笑顔を奥村に向けていた。

 やはり彼女は愛おしい。

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南田湊人side Fin
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