キス税を払う?それともキスする?
それから何日も怒涛の日々が続いた。
定時までは派遣の子の対応に追われ、自分の仕事は定時後になってしまう。
休日もあるようでないようなものだった。
出社したり、残った仕事を持ち帰ったりしたからだ。
お昼、心配した加奈が華を気遣う。
「華ちゃん大丈夫?ここ最近、長時間働き過ぎじゃない?」
ペアの内川さんはいい人だけど、遅い出勤をして遅く帰るタイプの人だった。
華は早くから出社しているのに、帰るのは内川と同じくらいの時間。
「うん。でもやらなきゃいけない仕事が多くて…。」
「もう。派遣の子のお世話はペアの人がやればいいんだよ!
華ちゃんは優し過ぎるの!」
そうかもしれない。でももう疲れ過ぎちゃって頭が回らない。
「ゴメン。加奈ちん。ちょっと会議室で寝てくる。」
「うん。会議室1を取っておくね。そこ使って。」
加奈にお礼を言うと会議室に向かう。
ダメだ…。時間が無さ過ぎてまともに眠れてないから…。
会議室に向かう途中で前方から南田が歩いてきた。
南田とはマンションに行って以来会っていなかった。
華は忙し過ぎてそれどころではなかったし、南田も何も言ってこなかった。
あ、南田さんだ…。なんでだろう。前は難しい言葉に頭痛がしそうだったのに、今はあの難解な南田さんとの会話をしたいなぁなんて思ってる。
何を思ってるのかしら…と力なく笑って会議室の中に入った。
会社では極力話さないって契約だ。
すると後ろから南田も会議室に滑り込んできた。
え?と振り返った華にくちびるが重ねられた。手がとられ、音が鳴る。
ピッ…ピー。「認証しました。」
「どうして…。」
この会議室、認証の機械が置いてあったんだ…。
そんなどうでもいいことが頭をグルグルする。
懐かしくさえ思える無表情の南田。
「認証したいという顔をしていた。」
「そんなわけ…。」
不満げな顔を向けると南田と目が合った。
「頑張り過ぎだ。」
華の頭を軽くポンポンとして南田は会議室を出て行った。
しばらく呆然としていた華は目からハラハラと涙を流してしゃがみこんだ。
定時までは派遣の子の対応に追われ、自分の仕事は定時後になってしまう。
休日もあるようでないようなものだった。
出社したり、残った仕事を持ち帰ったりしたからだ。
お昼、心配した加奈が華を気遣う。
「華ちゃん大丈夫?ここ最近、長時間働き過ぎじゃない?」
ペアの内川さんはいい人だけど、遅い出勤をして遅く帰るタイプの人だった。
華は早くから出社しているのに、帰るのは内川と同じくらいの時間。
「うん。でもやらなきゃいけない仕事が多くて…。」
「もう。派遣の子のお世話はペアの人がやればいいんだよ!
華ちゃんは優し過ぎるの!」
そうかもしれない。でももう疲れ過ぎちゃって頭が回らない。
「ゴメン。加奈ちん。ちょっと会議室で寝てくる。」
「うん。会議室1を取っておくね。そこ使って。」
加奈にお礼を言うと会議室に向かう。
ダメだ…。時間が無さ過ぎてまともに眠れてないから…。
会議室に向かう途中で前方から南田が歩いてきた。
南田とはマンションに行って以来会っていなかった。
華は忙し過ぎてそれどころではなかったし、南田も何も言ってこなかった。
あ、南田さんだ…。なんでだろう。前は難しい言葉に頭痛がしそうだったのに、今はあの難解な南田さんとの会話をしたいなぁなんて思ってる。
何を思ってるのかしら…と力なく笑って会議室の中に入った。
会社では極力話さないって契約だ。
すると後ろから南田も会議室に滑り込んできた。
え?と振り返った華にくちびるが重ねられた。手がとられ、音が鳴る。
ピッ…ピー。「認証しました。」
「どうして…。」
この会議室、認証の機械が置いてあったんだ…。
そんなどうでもいいことが頭をグルグルする。
懐かしくさえ思える無表情の南田。
「認証したいという顔をしていた。」
「そんなわけ…。」
不満げな顔を向けると南田と目が合った。
「頑張り過ぎだ。」
華の頭を軽くポンポンとして南田は会議室を出て行った。
しばらく呆然としていた華は目からハラハラと涙を流してしゃがみこんだ。