キス税を払う?それともキスする?
「この辺で明日にしよう」と終えたのはまだ7時くらいだった。
それでも華が知る限りで南田にしては遅かった。
自然に一緒に会社を出ると、じゃと会社の前で別れた。
なんでこっちが行こうとしている時は何も言ってこないのよ!
憤慨する気持ちで別れた華は、ふと鍵を持っていたことを思い出す。
そうよ。たまには私が尾行でもしてみよう。
探偵気分にウキウキして、くるりと来た道を戻ると南田を探した。
南田はすぐに見つかった。特に寄り道をすることもなく帰るようだ。
時折、公然とキス税の認証をする人を見かけると、はぁとため息をついているように見えた。
遠目でどんな心持ちなのかは分からない。
だいたい近くにいたとしても無表情の南田の気持ちは分からないのかもしれない。
「剛志!!お前は騙されてる!」
怒鳴り声に驚いてそちらを見ると男女のカップルらしい人と、もう一人の男の人がいた。
怒鳴り声はカップルの男に向かっていた。何か怒っているようだ。
剛志と呼ばれた男は女性を庇うように立ち、反論する。
「そんなことない!俺だけに彼女ができたからって、ひがみだろ!」
「馬鹿を見るのはお前だぞ!そんな女、ハニートラップに決まってる!
俺たち反対デモしてたからだ!」
そう聞こえて見てみると確かに不男に美女という不釣り合いに見えた。
前に会社で噂していたハニートラップなのだろうか。
南田も足を止め見ていたが、興味が失せたのかまた歩き出してしまった。
華も離れたところからそれを確認すると、騒動の結末が気になりつつも歩き始めた。
マンションの近くまでつけてきた華は、さすがに勝手にマンションに入っていいのか迷っていた。
するとコンビニへ寄った南田に意を決して、頃合いを見計らい華もコンビニへ入った。偶然を装って。
「な…。どうして君が…。」
こんなところにいるんだと言いたげな顔が動揺しているように…見えない無表情だ。
南田のカゴには夕食にするのかサラダとパスタが入っていた。
OLかよ!と、つっこみたい言葉を飲み込んで自分もパスタとサラダにデザートも選ぶ。
怪訝そうな顔のまま、でも先に帰ろうともしない南田がおかしくて笑えそうになってしまう。
レジに行くと当たり前のように「一緒に」とお金を払ってくれるようだ。
それなのに「袋は別で」と言われた。
本当にたまたま通りがかったと思ったのかな。でも私のアパートがどこかも知っているはずだし…。
お会計は甘えることにして、コンビニを出た。南田はまた同じ言葉を口にする。
「じゃ。」
華はマンションにお邪魔させてくださいとも言い出せずに、やるせない気持ちで自分のアパートの方へ足を向けた。
「おい。」
後ろから呼び止められると、ため息混じりに「来いよ」と言われた。
何よ。私がどうしても来たくて押しかけたみたいじゃない…。
文句を言いたい気持ちを抑えて南田の後に続いた。
それでも華が知る限りで南田にしては遅かった。
自然に一緒に会社を出ると、じゃと会社の前で別れた。
なんでこっちが行こうとしている時は何も言ってこないのよ!
憤慨する気持ちで別れた華は、ふと鍵を持っていたことを思い出す。
そうよ。たまには私が尾行でもしてみよう。
探偵気分にウキウキして、くるりと来た道を戻ると南田を探した。
南田はすぐに見つかった。特に寄り道をすることもなく帰るようだ。
時折、公然とキス税の認証をする人を見かけると、はぁとため息をついているように見えた。
遠目でどんな心持ちなのかは分からない。
だいたい近くにいたとしても無表情の南田の気持ちは分からないのかもしれない。
「剛志!!お前は騙されてる!」
怒鳴り声に驚いてそちらを見ると男女のカップルらしい人と、もう一人の男の人がいた。
怒鳴り声はカップルの男に向かっていた。何か怒っているようだ。
剛志と呼ばれた男は女性を庇うように立ち、反論する。
「そんなことない!俺だけに彼女ができたからって、ひがみだろ!」
「馬鹿を見るのはお前だぞ!そんな女、ハニートラップに決まってる!
俺たち反対デモしてたからだ!」
そう聞こえて見てみると確かに不男に美女という不釣り合いに見えた。
前に会社で噂していたハニートラップなのだろうか。
南田も足を止め見ていたが、興味が失せたのかまた歩き出してしまった。
華も離れたところからそれを確認すると、騒動の結末が気になりつつも歩き始めた。
マンションの近くまでつけてきた華は、さすがに勝手にマンションに入っていいのか迷っていた。
するとコンビニへ寄った南田に意を決して、頃合いを見計らい華もコンビニへ入った。偶然を装って。
「な…。どうして君が…。」
こんなところにいるんだと言いたげな顔が動揺しているように…見えない無表情だ。
南田のカゴには夕食にするのかサラダとパスタが入っていた。
OLかよ!と、つっこみたい言葉を飲み込んで自分もパスタとサラダにデザートも選ぶ。
怪訝そうな顔のまま、でも先に帰ろうともしない南田がおかしくて笑えそうになってしまう。
レジに行くと当たり前のように「一緒に」とお金を払ってくれるようだ。
それなのに「袋は別で」と言われた。
本当にたまたま通りがかったと思ったのかな。でも私のアパートがどこかも知っているはずだし…。
お会計は甘えることにして、コンビニを出た。南田はまた同じ言葉を口にする。
「じゃ。」
華はマンションにお邪魔させてくださいとも言い出せずに、やるせない気持ちで自分のアパートの方へ足を向けた。
「おい。」
後ろから呼び止められると、ため息混じりに「来いよ」と言われた。
何よ。私がどうしても来たくて押しかけたみたいじゃない…。
文句を言いたい気持ちを抑えて南田の後に続いた。