覚醒者3号-第二次調査報告-
呼びかけてみたものの、反応はない。
声が小さすぎただろうか。
「す…すみません、どなたかいますか?」
今度は少し大きめの声。
…すぐに静寂に包まれたものの、ややあって。
「……」
中から一人の男性が姿を現した。
年の頃四十から五十。
白髪混じりの髪の毛。
無精髭にも白いものが混じっている。
不機嫌そうな表情は、先程まで就寝中だったのかもしれない。
男性は警察官の制服ではなく、完全な普段着のまま私の前に姿を現した。
やはり深夜は交番として機能していないのかもしれない。
「あの…夜分遅くに申し訳ありません…私、他所の土地から来た者なんですけど…」
不機嫌そうな男性を刺激しないように言葉を連ねる。
「実は山の中で道に迷ってしまいまして…できればどこか休めるような場所があれば教えていただ…」
そこまで言った瞬間、私は男性の左手に驚くべきものを発見した。
分厚い刃に木製の取っ手。
切れ味よりは重さと勢いで物を断つ刃物。
あれは…鉈?
何故この人は、こんなものを握っているのだろう。
考える余地すら私に与えず。
声が小さすぎただろうか。
「す…すみません、どなたかいますか?」
今度は少し大きめの声。
…すぐに静寂に包まれたものの、ややあって。
「……」
中から一人の男性が姿を現した。
年の頃四十から五十。
白髪混じりの髪の毛。
無精髭にも白いものが混じっている。
不機嫌そうな表情は、先程まで就寝中だったのかもしれない。
男性は警察官の制服ではなく、完全な普段着のまま私の前に姿を現した。
やはり深夜は交番として機能していないのかもしれない。
「あの…夜分遅くに申し訳ありません…私、他所の土地から来た者なんですけど…」
不機嫌そうな男性を刺激しないように言葉を連ねる。
「実は山の中で道に迷ってしまいまして…できればどこか休めるような場所があれば教えていただ…」
そこまで言った瞬間、私は男性の左手に驚くべきものを発見した。
分厚い刃に木製の取っ手。
切れ味よりは重さと勢いで物を断つ刃物。
あれは…鉈?
何故この人は、こんなものを握っているのだろう。
考える余地すら私に与えず。