覚醒者3号-第二次調査報告-
「廃棄場…?」

私は驚きを隠せないまま、少女の顔を見た。

廃棄場って一体…。

いえ、それ以前に。

「貴女…機関の関係者なの?」

「……」

相変わらず何の表情も浮かべないまま、少女は静かに頷いた。

こんな幼い少女が機関に属する人間なんて…。

いや、機関は覚醒者の『開発』の為ならば性別、年齢を問わずにどんな人間だろうと拉致する。

もしかしたらこの少女もその犠牲者なのかもしれない。

そう思っていた私の考えを、少女はあっさりと覆した。

「私は素体…その失敗作としてここに廃棄された…」

「素体…!?」

私は驚愕した。

私も機関に属していた人間だ。

機関の内情はある程度知っている。

…機関は『覚醒者』…つまり軍事利用できる超能力者を開発する為の組織。

その覚醒者を完成させるまでのプロセスは幾つか存在した。

一つは私や小山田君のように、民間人に薬品を投与し、能力を覚醒させた者を拉致して利用するやり方。

そしてもう一つ。

生まれる前から機関の施設で育成し、超能力を有する人間を人工的に造り出すやり方だ。

この後者のやり方で生まれた子供は主に『素体』と呼ばれ、機関内の施設で超能力に特化した教育、訓練、実験を幼い頃から繰り返されるのだという。


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