覚醒者3号-第二次調査報告-
隊員を葬り去り、情報を手に入れ、小山田君は歩き出す。
人の気配など感じられない、深夜の駐車場。
人口の少ない小さな町では、目撃される事もなかった。
「ねぇ…小山田君」
私は彼の後を小走りに追いながら言う。
「…殺す事は…なかったんじゃないかな」
「甘いな、黛さんは」
小山田君は振り返る事なく言った。
「奴らは生かしておいても改心なんてしない。機関に戻れば新しい装備を整え、また別の人間を拉致する。殺しておいた方が安全だ」
…小山田君の言う事は的を得ていた。
確かにそうだろう。
人間の命に重きを置くような者ならば、人体実験なんてする筈もない。
機関がどういう組織なのかは、かつて在籍していた私が一番よく知っている。
でも…。
「小山田君…変わったね」
「……」
私の言葉に小山田君は足を止めた。
そしてゆっくりと振り向く。
…ほんの一月前に見せていた、あのどこか温もりのある笑顔はもうない。
命のやり取りの繰り返しによって甘さを一切捨てた、戦場に生きる者の顔がそこにあった。
「夜明けまでには施設に行きたい。急ごう、黛さん」
人の気配など感じられない、深夜の駐車場。
人口の少ない小さな町では、目撃される事もなかった。
「ねぇ…小山田君」
私は彼の後を小走りに追いながら言う。
「…殺す事は…なかったんじゃないかな」
「甘いな、黛さんは」
小山田君は振り返る事なく言った。
「奴らは生かしておいても改心なんてしない。機関に戻れば新しい装備を整え、また別の人間を拉致する。殺しておいた方が安全だ」
…小山田君の言う事は的を得ていた。
確かにそうだろう。
人間の命に重きを置くような者ならば、人体実験なんてする筈もない。
機関がどういう組織なのかは、かつて在籍していた私が一番よく知っている。
でも…。
「小山田君…変わったね」
「……」
私の言葉に小山田君は足を止めた。
そしてゆっくりと振り向く。
…ほんの一月前に見せていた、あのどこか温もりのある笑顔はもうない。
命のやり取りの繰り返しによって甘さを一切捨てた、戦場に生きる者の顔がそこにあった。
「夜明けまでには施設に行きたい。急ごう、黛さん」