覚醒者3号-第二次調査報告-
夜間迷彩を施されたヘリコプター。

そのヘリのハッチが開き、中から人が上体を乗り出したと思うと。

「なっ!?」

黛さんが声を上げる。

ヘリから人が飛び降りた。

ヘリは相当な高度を飛行している。

30メートルはあるだろう。

そんな高さからのダイブ。

見た所パラシュートは背負っていないようだし、懸垂降下の為のロープも下がっていなかった。

まさにダイブ。

ただの自殺にも等しい行為。

しかし。

「!?」

もう一度、黛さんは目を見張る。

ヘリから飛び降りたその人物が、地面に激突する寸前。

その落下速度が突然弱まったのだ。

いや、地面スレスレで一旦停止した、と言ってもいい。

とにかく、地面に叩きつけられて激突死する筈だったその人物は、何食わぬ顔をしてヘリからの降下を成功させたのだ。

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