覚醒者3号-第二次調査報告-
黛さんの右腕は、後方へと強引に捻り上げられていた。

1号の念動力によるものだ。

完全に人間の肩の可動域を超えた方向へと捻られる。

そのまま。

「う…いぎぃいいぃいぃぃっ!!」

乾いた音と共に、黛さんの右腕の骨は折られた。

地面に倒れ、黛さんはうめく。

そんな彼女の体が。

「!」

フワリと浮かび上がった。

さっきの村人達と同じだ。

1号の念動力によって浮遊させられている。

違うのは。

「う…ぐぐく…あがぁぁあぁぁっ…!」

黛さんの上半身と下半身が、それぞれ違う方向へと捻られている事だった。

1号は念動力で、黛さんの胴体をねじ切るつもりなのだ。

…ブチブチと、皮膚が裂ける音が聞こえる。

ピキッ、ピキッと骨の軋む音。

1号はわざと加減して黛さんを苦しめているようだった。

「…!…!!」

表情には出ない。

だけど…。

私の中で焦燥感が生まれ始めていた。

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